焚き物

お食い初めには焚き物(煮物)も欠かせません。
煮物を出さない地域もあるようですが、大体の所では祝い膳の一汁三菜のうち一品は焚き物です。
あまり欲張ってたくさん盛り付けたり、また一皿にまとめて全部盛り付けたりするのではなく、きちんと小鉢に分けて控えめに盛り付けましょう。
 

お食い初めの焚き物にはときにこれといった決まりはないようで、そのためから地域性が色濃く出るメニューでもあります。
例えば、九州ならがめ煮や筑前煮が一般的だったり、関西ではタコが入っていたりするようです。
タコには八本の足からの連想で「八方に広がるように」や「歯並びが良くなるように」という願いが込められています。
焚き物は、にんじん、ごぼう、れんこん、こんにゃく、さやえんどう、しいたけ、鶏肉やタコなど、様々な具材を入れることができます。
それを上手く利用して祝い膳を賑やかにしてあげましょう。
用意する時間がない場合はかぼちゃの煮物などでも全く問題ありません。
気持ちが大切です!!ここでは一般的な筑前煮の作り方を紹介します。

①鶏肉は一口大に切って、酒少々をふり、10分間ほどおいておきます。
その後に熱湯に入れて、鶏肉の表面が白っぽくなるまで火を通します。

②里芋の皮をむいて、堅めにゆでていきます。
そのあと塩少々をふって、手でもんで表面のぬめりを取っていきましょう。
再度水を加えて、堅めにゆでます。

③にんじんは少し小さめに乱切りにします。
れんこんは皮をむき、小さめのいちょう形に切って水にさらしておきます。
ごぼうは薄めの乱切りにして酢水につけます。
絹さやは塩ゆでです。

④こんにゃくは手やスプーンを使って一口台にちぎっていき、熱湯でサッとゆでくさみを抑えます。
包丁ではなく、ちぎることで味がよくしみます。

⑤鍋にごぼうを入れて火にかけます。
いりながら水分を飛ばしていきましょう。
こうすることで、油を加えてもはねたりしません。
サラダ油を加えて更にいためる。

⑥ごぼうに油が回ったら鶏肉を加えてさらにいためていきます。
それに連なって、③④で用意した里芋、にんじん、れんこんとこんにゃくも加えていきます。

⑦全体をいためたら、だしを加えます。
煮立ったら砂糖を加えて、さらに強火で5分間ほど煮ていきます。

⑧しょうゆと酒を加え、煮汁がほとんどなくなるまで煮ていきます。
しょうゆは薄口醤油のほうが彩りが美しく仕上がります。
仕上げにみりんを加え、絹さやを散らし、完成です。