鯛の尾頭付き

お食い初めの鯛

お食い初めでは「鯛の尾頭付き」を用意するのが一般的ですが、鯛以外の魚でも代用できます。
ですが、せっかくのかわいい我が子のためには鯛、用意してあげたいですね!あまり大きな鯛は必要ありません。
あくまで一つの御膳なので、小ぶりの鯛のほうが盛り付けもしやすく、見た目にもスッキリするでしょう。
それに、大きすぎると家庭用のオーブンで焼くのは少し大変ですが、小さめでしたら家庭での尾頭付き作りに挑戦しやすくなります。
では早速、鯛の尾頭付きの作り方を紹介します。
※まずは、ご家庭のグリルやオーブンの天パンのサイズをきちんと把握しておきましょう。
そしてご近所の魚屋さんやスーパーで天パンに収まる大きさの鯛を購入します。
ここで一緒に鱗や内蔵の処理を頼んでおくと、家庭での調理がぐっと楽になります。

①まず始めに、鯛を焼いたときに皮が縮んでしまって、見栄えが悪くなることを防ぐために、鯛の上にする側の皮に包丁で切り目を入れておきましょう。

②それに加えて、鯛の皮の両面に金串などで穴をあけます。
穴はなるべくたくさんあける方が良いですが、あまりに大きすぎるとそのままその穴が残ってしまうので気をつけてください。
小さい穴でしたら、焼き上がったときにちょうど良い具合に皮が縮んでくれるので、目立たなくなります。

③全体的に塩をふります。
ヒレ部分には飾り塩をしておきます。
飾り塩とは、こげ防止に他の部分より厚めに塩をふりかけることです。
また、尻尾も焦げやすいので身に火が通る前に焦げないように、アルミホイルで包んでおくか、または尻尾にも飾り塩をしておきます。

④グリルで焼く場合、中火より弱めの火加減で少し長めに焼きます。
オーブンで代用する場合は、10分間余熱した250度のオーブンで25分程度焼きます。
竹串などを身の厚いところに刺して、透明な汁が出てくれば完成です。

歯固め石

お食い初めには「歯固め石」というものが欠かせません。
初めて聞く方もいらっしゃると思います。
ここではお食い初めには欠かせない歯固め石について説明していきます。
「歯固め石」は、文字通り、赤ちゃんの歯固めに使う石です。

お食い初めの祝い膳には、ごはん、香の物、お吸い物、鯛などと並んで、この歯固め石が置かれます。
生後100日目の赤ちゃんは、まだお母さんのおっぱいや、ミルクしか飲んだ事がないので、食べ物も実際には食べずに食べさせるまねをさせるだけです。
ですので、そんなにメニューの味付けに凝る必要は本当はありませんが、結局お招きした人や両親がその料理を食べる事になるので、きちんとしたレシピを見て美味しく作ってあげたいですね(*^_^*)お食い初めの歯固め石は、近頃ではたまひよなどのネットショップで購入するができるので、通販を利用する方も増えているようです。

また、お宮参りをした神社でもらえることもあります。
一般的には、神主さんに一言言って、神社の境内の石をひろって使用し、使い終わったらまた返すというのがならわしなようです。
中にはそこらから石を拾ってきて使ってしまったという人も少なくありません。
もちろんそれでも問題はありませんが、せっかくのなのできちんとしたところから拾ってきた石を使ってあげましょう。
「忙しくて神社なんて行っている暇がない!」という方ももちろんいると思うので、ご自身の状況に応じて柔軟に対応してください。

お食い初め 鯛はこちら

紅白餅

お食い初めの祝い膳には「紅白餅」を添えることもあります。
これはあってもなくても構いませんが、膳を華やかにするのにもぴったりだと思います。
こればかりは作るのも非常にめんどうだと思うので、通販などで購入するのがいいでしょう。

「百日祝い 紅白餅」や「お食い初め 紅白餅 通販」などのキーワードを入れて検索するとすぐに出てきます。
中には「百」と焼印されてある、お食い初め用のめでたい紅白餅なども売られているので、色々見て回ってみると面白いですよ。
また、最近では紅白餅ではなく、ケーキを食べている家庭もあるようです。
なんと、お食い初め用」として販売されているケーキまであるみたいです。
もちろん、ご自身でお食い初め用のケーキを作る方も増えてきているようです。

ただし、赤ちゃんはまだミルクを飲む時期です。
ケーキを食べる事はできないので、お食い初めに集まってきてくれた方々に食べてもらうものになります。
お食い初めケーキはそういったものなので、決まった作り方や材料などは特にありません。
しかし、子供の名前を書いたプレートをはっていたり、子供にちなんだかわいいデザインのものがやはり多いようです。
誕生日ケーキと似たようなものですね。
「紅白餅」や「ケーキ」を祝い膳に添えて、膳を華やかにし、赤ちゃんが食べ物に一生困らないよう、願いをこめましょう。

お吸い物

お吸い物と言っても、たくさんのものがありますが、お食い初めではハマグリのお吸い物を用意することが多いです。
これには、「将来良い伴侶に巡り会えるように」という意味が込められています。
というのも、ハマグリの貝殻は、上下ぴったりとずれることなく合わさるからです。
こどもも将来、ハマグリの貝殻のようにぴったりと合わさる素敵な人と出会えるように、ということですね。
では、ハマグリのお吸い物も作ってみましょう。
用意する材料は、はまぐり12個、三つ葉8本、昆布だし600cc。
調味料は、酒大さじ2、薄口醤油大さじ1、塩適量です。
これは四人分の材料なので、人数に合わせて調整してください。

①まずはじめに、ハマグリを3%ほどの濃度の塩水に浸け暗い所で砂出しします。
できればこの砂出しは半日くらいじっくりとしてください。

②砂出しが終わったらハマグリをキレイに洗います。
そのハマグリを昆布でとった出汁にいれ火をつけます。

③②の中に酒大さじ2杯を入れて、沸騰してハマグリが開いたらアク取りをし、一度ハマグリを取り出します。

④③に薄口醬油と塩を加え、味を整えます。
最後に取り出したハマグリを戻します。

⑤お椀にお吸い物を入れたら、三つ葉を浮かべて完成です。

香の物

「香の物」というのは」お漬物のことです。
ですから普段から食べているものでも良いのですが、せっかくなので彩の綺麗なものを選んで作ってあげてもいいかもしれません。
香の物はあまり大きな器に入れず、小さな器に入れてさりげなく膳を華やかに見せるようにすると全体が美しく見えます。
ここでは短時間でできて色合いもめでたい「紅白なます」の作り方を紹介します。
材料は大根500g、人参200g、塩少々、酢大さじ3、薄口醤油少々、佐砂糖大さじ2、みりん小さじ1、粉末だし小さじ1/2、です。

①まずは、大根と人参を千切りにします。
細く薄く切るのが苦手な方はスライサーを使うとキレイに切れます。
用意した塩で塩もみをします。

②その後4、5分置いてから、水で洗い、水分をしっかりと絞ります。

③②の大根と人参に調味料の酢、薄口醤油、砂糖、みりん、粉末だしを全て混ぜ合わせます。
すっぱい方が好みの方は酢の量で調整して、甘いのが好みの方は砂糖の量で調整します。

④大根と人参の彩がキレイに見えるよう器に盛りつけて完成です。

焚き物

お食い初めには焚き物(煮物)も欠かせません。
煮物を出さない地域もあるようですが、大体の所では祝い膳の一汁三菜のうち一品は焚き物です。
あまり欲張ってたくさん盛り付けたり、また一皿にまとめて全部盛り付けたりするのではなく、きちんと小鉢に分けて控えめに盛り付けましょう。
 

お食い初めの焚き物にはときにこれといった決まりはないようで、そのためから地域性が色濃く出るメニューでもあります。
例えば、九州ならがめ煮や筑前煮が一般的だったり、関西ではタコが入っていたりするようです。
タコには八本の足からの連想で「八方に広がるように」や「歯並びが良くなるように」という願いが込められています。
焚き物は、にんじん、ごぼう、れんこん、こんにゃく、さやえんどう、しいたけ、鶏肉やタコなど、様々な具材を入れることができます。
それを上手く利用して祝い膳を賑やかにしてあげましょう。
用意する時間がない場合はかぼちゃの煮物などでも全く問題ありません。
気持ちが大切です!!ここでは一般的な筑前煮の作り方を紹介します。

①鶏肉は一口大に切って、酒少々をふり、10分間ほどおいておきます。
その後に熱湯に入れて、鶏肉の表面が白っぽくなるまで火を通します。

②里芋の皮をむいて、堅めにゆでていきます。
そのあと塩少々をふって、手でもんで表面のぬめりを取っていきましょう。
再度水を加えて、堅めにゆでます。

③にんじんは少し小さめに乱切りにします。
れんこんは皮をむき、小さめのいちょう形に切って水にさらしておきます。
ごぼうは薄めの乱切りにして酢水につけます。
絹さやは塩ゆでです。

④こんにゃくは手やスプーンを使って一口台にちぎっていき、熱湯でサッとゆでくさみを抑えます。
包丁ではなく、ちぎることで味がよくしみます。

⑤鍋にごぼうを入れて火にかけます。
いりながら水分を飛ばしていきましょう。
こうすることで、油を加えてもはねたりしません。
サラダ油を加えて更にいためる。

⑥ごぼうに油が回ったら鶏肉を加えてさらにいためていきます。
それに連なって、③④で用意した里芋、にんじん、れんこんとこんにゃくも加えていきます。

⑦全体をいためたら、だしを加えます。
煮立ったら砂糖を加えて、さらに強火で5分間ほど煮ていきます。

⑧しょうゆと酒を加え、煮汁がほとんどなくなるまで煮ていきます。
しょうゆは薄口醤油のほうが彩りが美しく仕上がります。
仕上げにみりんを加え、絹さやを散らし、完成です。

赤飯

赤飯はめでたい時に欠かせないメニューですね。
赤飯は家庭用の炊飯器でも簡単に炊くことができます。
なのでぜひ挑戦してみてください。
準備するものは三合分炊くとして、もち米三合、ささげ50g、塩小さじ四分の一、です。

①もち米は炊き始める30分〜1時間前くらいに洗っておきます。
洗ったもち米はざるにあげて水気を切っておきましょう。

②ささげを洗って鍋に入れます。
その鍋にカップ4杯の水を加えて茹でます。
煮立ってから、弱火で20分位煮詰めていきます。

③ささげを豆と煮汁に分けましょう。
煮汁はきれいな色を出すために、玉杓子ですくって空気に触れさせながら冷ましていきます。

④①のもち米を炊飯器に入れて、③のゆで汁を2と4分の1合加えます。
もし煮汁が足りなかったり、色が濃過ぎたりする場合は水を加え調整して2と4分の1合分用意してください。
最後に、塩とささげを炊飯器に入れて炊きます。

⑤炊き上がったら、豆をつぶさないようにしゃもじで混ぜてお茶碗にきれいに盛りましょう。
※もち米:ゆで汁は1:3/4の割合です。
※ゆで汁は、通常の200CCのカップではなく、お米を計るカップ(180CC)で計算しているので注意してください。
ささげは家庭で煮てももちろん良いのですが、もっと簡単に赤飯を炊きたい方は、「赤飯用水煮缶詰」など、もう予めあずきを水煮してあるものもたくさん売られているので、それを使ってみてください!

祝い膳とは

お食い初めでは、お食い初め用の特別メニュー「祝い膳」のお料理を赤ちゃんに食べさせる真似をします。
その祝い膳のお料理を赤ちゃんに食べさせる真似をするには、きちんと決まった順番があります。
そしてそのお料理を食べさせる真似をするのは祖父母や、親戚の中で長寿の方にお願いをします。

赤ちゃんがその方のように長生きするよう願いを込めるのです。
もちろん、ご家庭の事情によっては祖父母にやっていただけない場合もあるでしょう。
そんなときもあまり形式に拘らず、赤ちゃんのお母さんやお父さんが、祝い膳のお料理を赤ちゃんに食べさせる真似をしてあげれば大丈夫です。

さて、肝心の順番ですがお、食い初めは一汁三菜が基本になっています。
①赤飯→吸物→赤飯→鯛②赤飯→吸物→赤飯→煮物③赤飯→吸物→赤飯→香の物④赤飯→吸物→赤飯→歯固め石といったように、赤飯とお吸い物の間におかずを挟むというサイクルを繰り返して、赤ちゃんに祝い膳を食べさせる真似をします。

この流れの間に、実際に一粒だけでも赤ちゃんに食べさせてあげるようにしましょう。
(無理はしなくて大丈夫です!赤ちゃんの様子を見て、食べられそうであれば、です。)
赤ちゃんに祝い膳を食べさせる真似が一通り終わったら、ご家族やお食い初めにご来てくださった方々皆揃って、祝い膳のお料理を食べましょう。
赤ちゃんに祝い膳のお料理を食べさせる真似が終わるまでは、お食い初めの主役の赤ちゃんよりも先に、祝い膳のお料理を間違っても食べてしまわないように気をつけてください!